【3日目】

「佐世だんだん工房」にて朝食 ⑭


 最終日の朝は、和定食のようなお膳をととのえていただきました。近くの畑でとれた野菜、わらびや筍などの旬の味、そしてノドグロの一夜干し。さらに卵が名物の雲南市だけあって、だしたっぷりのふわふわな卵焼きも! ウリのかす漬けと梅干しは近所のお母さんたちの手作り。梅干しに甘味があるのが雲南市の漬け方のようです。こういう地元の保存食品の作りかたを教えていただくのも楽しそう…と小さなプランが胸をよぎります。
 そしておみそ汁の具はしじみ。さすが、島根! 最後にオーナーの黒崎寿夫さんが、一人ひとりに抹茶を点ててくださいました。うーん、これもさすが島根! 雲南だけでなく島根の味わいをいっぱい体験できました。(佐藤)

須我神社 ⑯

 雲南市には、出雲神話の舞台となった名所が数多くあります。雲南市大東町にある「須我神社」もその一つ。オロチを退治したスサノオノミコトが、妻のクシナガヒメと一緒に新居の地を探し歩き、この地に宮をつくったのだそうです。須我の名の由来は、スサノオノミコトが八雲山の麓に至ったとき、「心が清々(すがすが)しくなった」と言ったことから。大きな仕事を成し遂げた夫が妻を連れだって山へ行き、「爽やかで気分がいい場所だね。新居はここにしよう!」と決めたわけです。そう考えると、スサノオノミコトが少しだけ身近に感じられるから不思議です。なんだか、こちらまで清々しい気持ちになれる神社でした。(酒井)

「奥出雲葡萄園」にて昼食 ⑱

 「奥出雲葡萄園」は、市内木次町の「食の杜」にあります。広々とした農園では自然の摂理にそって葡萄を育て、できる限り自然に近い状態でボトリングしているのだそうです。
 この日のランチは、「奥出雲葡萄園」のレストランにて。せっかくなのでワインもいただくことにしました。シャルドネやメルロを使ったワインもありますが、国内開発品種の「小公子」という山葡萄交配種の葡萄を使った鮮やかな赤のスパークリングワインをいただきました。やわらかで上品な香りと味わいで食前酒としてはもちろんですが、野菜や鶏肉料理とも相性がよいと思いました。
 「食の杜」では、「杜のパン屋」さんでバゲットなども購入。帰京後、おいしくいただきました。ほかに築130年の茅葺き屋根の古民家で、地元のお母さんたちが提供する食事をいただくこともできるそうです。次回はそこを“視察”しなくては! 次の課題を持ち帰ることも視察の大切なところだと思います。(佐藤)

「加茂岩倉遺跡」 ⑳

 視察ツアーの最後に「加茂岩倉遺跡」を見学。ここで39個という全国最多数の銅鐸が、農道工事の途中で偶然に発見されたそうです。今は静かな公園になっていますが、1996年の発見当時は全国的なニュースになり、地元は大騒ぎ。何でもない山の中に、長い長い見学者の列が続いたのだとか。
 発見場所の傍らに建つ資料館でお話を聞いていると、歴史ロマンにますます興味が湧いてきました。だって、ここからわずか3.4kmの場所にある荒神谷遺跡からは、大量の銅剣が出土していて、「古代出雲には実際に王国があった!」という説まであるのですって。
 神話の国には、神話を裏付けるような史実が、まだまだ眠っているのかもしれません。(秋元)

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山王寺の棚田(棚田百選) ⑮

 雲南市大東町にある山王寺の棚田。「日本の棚田百選」のひとつに選ばれています。
 なだらかな山すそに約200枚の棚田が並び、展望台からは、連綿と連なる山々を背景に左右に広がる棚田を眺めることができます。
 南向きの地形を巧みに利用する棚田は、古き良き日本の原風景を体感できる場所ですが、おいしいお米が育つところでもあるのです。棚田は田んぼの一枚一枚が変形だったり、大小さまざまだったりして機械化しにくいため、人手をかけざるを得ないと思いますが、だからこそ愛情深いおいしいお米になるのだと思います。
 でも、残念ながら棚田米を食べるのを忘れていました! 新米の時期に購入することにします。(佐藤)

奥の宮(夫婦岩) ⑰

 「須我神社」の北約2kmの山の中にある「奥の宮」へも参詣しました。ここに祀られているのは、御神体である夫婦岩。急な山道を10分くらい登ると、正面に夫婦岩が大木に抱かれるような形で現れました。大きい順にスサノオノミコト、クシナダヒメ、その御子の岩だそうで、まるで写真館で撮る家族写真のような佇まい。山道を歩いて少し息が上がりましたが、静かな新緑の森のなかにいると、清々しく神聖な気持ちになります。
 ちなみに…夫婦岩があるのは八雲山登山道の途中です。登山道の入口に置かれた杖を拝借して登れば、ちょっとラクできます。(秋元)

「木次乳業」の放牧場 ⑲

 少し時間ができたので、昨日おじゃました「木次乳業」の放牧場へ行くことにしました。可愛らしい茶色の乳牛は、ブラウンスイスという品種です。ほどよく高低差のある山間で、太陽や風を受けながらのびのびと過ごしていました。
 一般的な乳牛は、狭い牛舎につながれたままだったり、乳量を増やすためにトウモロコシや大豆などの穀物を与えられている場合が少なくありません。なかには、遺伝子組み換えの輸入穀物を餌として与えているところもあります。そんな乳牛に比べて、ここの乳牛たちはとても幸せな環境で過ごしています。この放牧場こそが、「木次乳業」という会社の姿勢を表していると感じました。(酒井)

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